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錆落とし

天皇杯シード権獲得に向けての正念場となる残り2試合。前節岡山で三菱水島FCに4-1で勝利したFCホリコシは、鴻巣市営陸上競技場に下位に低迷するデンソーを迎えてのホームゲームで手痛い敗戦を喫しました。

前日までの雨が上がり蒸し暑い天候の中で13時にキックオフ。この日は、試合開始からホリコシの選手にキレが見られず、デンソーの小気味よい動きに翻弄されるシーンが目立つ不安な立ち上がり。選手個人の能力はデンソーよりも高いものの、デンソーは2~3人でボール保持者を囲い込みホリコシを狭いエリアに閉じ込めて自由にさせない。

それでもホリコシは、高い個人能力を生かして厳しいプレスをかいくぐりシュートまで持ち込むが、これがことごとく枠に飛ばず。アマラオと小松原で各々一回ずつ決定的なチャンスを逃しているが、これを決めておけばおそらく試合の流れは変わっていたはず。

何度かのチャンスを自らの手でつぶし、前半だけで10本ものシュートを放ってはいたものの、狭い地域に閉じこもったサッカーを強いられた結果、中盤でボールを奪われては自陣ゴールへと駆け戻らなければならない消耗戦に持ち込まれた感もあります。

デンソーは、前線に当てては一旦戻し再び前線へと、ボールを縦にジグザグに動かしホリコシ守備陣に狙いを絞らせない組織的な攻撃を披露するが、こちらも最後でパスミスやシュートミスが目立ち、前半のシュート数4本と両者ともに『得点の匂いがしないゲーム』を進めた前半でした。

後半に入って、久しぶりに右サイドからのクロスに対してFWが飛び込んでいくというシーンが見られるが、これは、デンソーDFがあわやオウンゴールかと思うほどの勢いでクリア。以降ホリコシの攻撃は前半と同様に中央に偏る。

基本的な流れは変わらず、11分に小松原に替えて森、18分には左WBの深田に替えて斉藤を投入し、森がデンソーDFの裏へ抜けて2度ばかりGKと1対1になるチャンスを産み出すものの、徹底的にゴールに嫌われているようで前半と同様に得点には至らない。こうなると、勝利の女神が相手に微笑み始めるのは世の常。

デンソーは、10分、23分、27分とフレッシュな選手を投入し、前半と同様のサッカーを続け、ホリコシはフレッシュな選手が投入されても前半と同様にボールと人の動きの少ないサッカーに終始する。

そして、後半も残り10分を切った37分。ペナルティエリア手前からのミドルシュートが、クロスバーに当たって跳ね返ったところをダイレクトで再びシュートされ失点。跳ね返ったボールに反応していたのが、デンソーの選手のみだったというところに、この試合の全てが凝縮されていたといっても過言ではないでしょう。

残り時間も少なくなって失点したホリコシですが、ここで焦ってすぐにパワープレイに移るのではなく、一旦ボールを回し各プレイヤーが落ち着きを取り戻してからパワープレイに入ったのは、敗戦の中で見つけられた唯一の光明で、チームの成熟を感じさせる材料といえるかもしれません。

ナリはこの日も3バックのセンターで起用されましたが、試合開始早々に左サイドへのロングフィードが大きくタッチラインを割ってしまったり、右サイドへのロングフィードがスライス回転してタッチラインを割るなど、ゲームへの入りで少し違和感を感じさせました。

また、イエローカードをもらったシーンに象徴されるように、相手の動きとボールの動きから相手の意図が分かっていながら、最初の一歩がほんの一瞬遅れており、自分のイメージどおりに動けていないように見えました。恐らく、それは体力的な問題というよりも、ブランクの「錆落とし」が済んでいない部分なのではないかと思います。

ナリは、たくさんの『経験』という引き出しを持っています。しかし、残念なことにそれらの引き出しを開ける機会はここ1年近く絶たれたままでした。大きな引き出しは、しょっちゅう開け閉めしているのできちんと動いていますが、たまにしか使われない小さな引き出しには、まだ油が十分にいきわたってなくてぎこちないのだと思います。

そして、その小さな引き出しを開け閉めするぎこちなさが、1試合に何度も繰り返して蓄積されると『あれ?何だかおかしいな?』と自分自身に違和感を感じることにつながっていくのかもしれません。

残念ながら天皇杯シード権は逃してしまいましたが、リーグ戦はようやく半分を終えようとしているところです。今後もJリーグ昇格に向けて『小さな錆落とし』に精進しながらチームの勝利に貢献して欲しいと思います。

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