手放しで喜べない大量得点
前節のHonda FC戦で上位チームとの直接対決を終え、天皇杯シード権確保のためにもJリーグ昇格争いに残るためにも、前期ラスト4試合は一つも落とすことができないFCホリコシ。対戦相手の流通経済大学は前節栃木SCに0-6と大敗しており、最近好調の栃木に追いすがるためにも大量得点で勝利し得失点差を稼ぎたいところです。
しかし、今節も先手を取ったのは流通経済大学。前半19分にドリブルでスピードに乗って飛び込んできた相手をナリがチェックし一旦は止めますが、再び相手の足に当たったボールがナリの裏へこぼれ、そのまま抜け出した相手が先制のゴール。
流通経済大学は背の高いFWをワントップとして配置し、その落としたボールを2シャドーが拾って飛び出すという攻撃を繰り返しており、試合開始直後からホリコシの3バックには戸惑いが見られ、2シャドーの飛び出し誰がどういうタイミングでケアするのか、そのあたりの約束事が整理されていなかったような印象です。
序盤、ホリコシボールになると流通経済大学がワントップを残すだけなのに、ホリコシの3バックは全員が残ってしまうため相手中盤の方が人数が多く、選手の個人能力が高かったため何とか局面は打開できていたものの攻撃に厚みが見られません。
しかし、30分に矢部がFKを直接決めて同点に追いつくとようやくホリコシも落ち着きを取り戻し、34分に蔵川のゴールでリードを奪うと、3バック陣もカットしたボールを中盤まで持ち上がるなど攻撃の起点になろうとする姿勢が見られるようになります。
そんな中、前半終了間際の43分には、こぼれ球を拾ったナリから右サイドに開いていた蔵川へスペースをうまく使ったパスが渡り、蔵川がタッチライン際を駆け上がって上げたクロスをアマラオがヘッドで決めてリードを広げ前半を終了。
後半に入り、キックオフと同時に、意表をついて平間がドリブルで相手の中央を切り裂く。たまらずに飛び出してきたGKがPA内で平間を倒してしまいPKをゲット。フットサルでいうところの「秒殺の定石」に流通経済大学が見事にひっかかってしまいました。一旦ボランチに戻すだろうという相手とスタンドの甘い見込みを覆した平間の頭脳プレイでした。
このPKを小松原が冷静に決めて4点目。開始直後の秒殺で気落ちしたのか、前半に比べると流通経済大学の活動量が落ちホリコシが完全にペースを握ります。3バック陣も前半に比べてラインを高く保ち、相手のワントップ+2シャドーに対してゾーンで守ろうとしているように見受けられます。
30分には小松原と交代で入った森が5点目を奪い、これで試合は決まったと思われましたが、流通経済大学がフレッシュな選手を立て続けに投入すると、ホリコシの3バック陣にほころびが出始め、オフサイドトラップ失敗から裏を取られるシーンが出てきます。
そして42分には、オフサイドトラップ崩れから左サイドを抜け出された相手に、ナリが必死で戻ってチェックにいくも間に合わず、クロスを上げられヘディングシュートで痛恨の失点。結局5−2でFCホリコシが勝利したのですが、ディフェンス陣にとっては後味の悪いゲームとなってしまいました。
試合後のコメントで、ナリ自身が語っているように「勝ち点3と失点2」。最低限のノルマである勝ち点3は取ったけれども、よけいな失点2も一緒について来てしまった。12試合を終えて失点10ですが、直近の2試合で半分近い4点を失っていることを考えると5得点を素直に喜ぶ訳にも行きません。
幸いにも、前期残り3試合は下位の三菱水島FC、デンソー、SC鳥取との対戦であり、ラインコントロール、ボランチやウィングバックとの連携、守備ブロックの構築や攻守のバランス取りなどを試しつつチーム基盤をしっかりとしていく必要があると思います。
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